高菜漬け取材その①
3月28日のことだが、私の地元の福岡で高菜漬けで有名な
某おばあちゃんのところに取材も兼ねて、先輩講師と高菜漬けを習いに行った。
その日は、なんとTV取材も来ていて様子を収めたい生徒さんとTVクルーの間で
カメラの位置取り合戦が繰り広げられるほどの盛況ぶり。
一度天日干しした後、塩をまぶして揉んでいくのだが、重要なポイントがある。
ひとつの株がそのまま商品になる。プロになりたければ
「茎の部分は優しく揉むこと。」揉みすぎると商品価値がなくなる。
漬けたときに、痩せてスカスカになってしまう。
逆に「葉の部分は親の仇のごと、揉んでよかよ。」とおばあちゃんが言う。
※天日干しをした株はその日のうちに揉んで、漬け込むがセオリーとのこと。
漬け方も人それぞれだと思うけど、おばあちゃんのスタイルは
桶の中央に根っこを向ける漬け方。葉が外側を向く。
葉側に塩を振っていれば、自ずと茎側に塩が浸透していく。
(毛細管現象?のことだと理解している。)
理由としては根っこの切り口が黒くなるのを防止するため。
プラスチック製の桶では、若干でも光が入って黒くなるから
根っこの切り返したところは外に向けない。
当日、私は取材班として先輩に同行したため、少し暇を持て余す時間があった。
そこで、おばあちゃん所有の竹やぶで筍堀りを体験させていただいた。
おばあちゃんのご親族の男性に案内していただいた。
空気が澄んでいて、すごく幻想的な雰囲気、竹林が神々しさを放っていた。
まだ、筍が若いので発見しずらいが足で踏んで歩いていると凸凹を足の裏で
感じた。
「ここかな?」と落ち葉を払ってみるとやっぱり筍の赤ちゃんの頭が地面から
1㎝くらい出ていた。まずは発見できたことに喜んだ。
ちゃんと掘るには筍がどう生えているかをイメージし、折らないように両サイド
から穴を掘る。
反っている方向(Uの字)から根本まできちんと掘って、タケノコ唐鍬を入れ
やっと収穫できる。
しかも、掘っている間、かなり頑丈な竹の根っこが邪魔をするので断ち切り
ながら掘らないといけない。同行していた小学生の男の子では無理なことが
多かったようだ。全て、折れてしまっていた。
大人の私ですら、素人なりに4つほど掘らせていただいたが折らずに採れたのは
たったの1つ。その一つも完璧な状態ではない。鍬を振り下ろす位置を誤ると筍を
折ってしまう。集中力が欠けるとすぐやってしまう。
もっと筍が大きくなってくると掘りやすくなるらしいが、、、、、、
なれないと尋常じゃないくらいキツイ、、、、、、、、、、、、、、
筍の生産者さんはこんなことを沢山こなしているのかと尊敬。
帰りの時間になったので、高菜漬けをしているおばあちゃんのもとに戻った。
帰りに以前漬けていた高菜漬けや今日採った筍を茹でたものをいただいて帰宅した。
もちろん、頂いた高菜漬けは塩加減が絶妙でうまい!
筍も時期的なもので小さい上に素人が掘ったので見た目は悪いが新鮮でうまい!
おばあちゃんが高菜が塩辛いときの塩抜き方法を教えてくれた。
高菜を刻んで、好きな塩加減になるまで味見しながら水洗いするだけ。
「高菜は酸っぱいのはどうしようもないけど、塩辛いのは塩抜きすれば食べられる。」
とおばあちゃん。
塩と重しが足りないと酸っぱくなる原因になるらしい。
私の亡くなった祖母の高菜は時折、酸っぱかった。
それも思い出の味になってるがやっぱり少し塩辛いくらいの青高菜が私の好み。